高齢者介護・デイサービスの現場の状況から、サービスアップの目的と人手不足解消の必要によって、施設長として自分で決めて受講をはじめました。介助や施設管理などの仕事でも、マッサージの施術と同じく、対応や接し方、相手の反応、自分の体の使い方など、気を使うことは多いと思います。高齢者に対するサービスなので、利用者様の老化や心身の障害の程度など考慮することが多いと思います。
利用者の皆さんは、少しでも不快症状が緩和したり、動きが楽になることを希望していると思います。他の仕事も同じですが、施術として必要なことも、まずは一人一人のための丁寧で親切な対応です。老化や障害や病症の緩和が見込めなくても、いっときでも心地よい感じになれたり、自分が人として対等に対応されていると感じたり、できなかったことが少しでもできるようになったりすることが大切だと思います。
マッサージや機能訓練などリハビリテーションを主とした施設なので、まず施術や療法が信頼感を持って受けられることが大事です。接し方や対応の仕方は介護のサービスと同じだと思います。施術は、ゆっくり丁寧になるべく全身を行うことが基本ですが、施術時間が短い場合は、相手がやって欲しいところや、凝っている(かたくなっている)ところが、柔らかくほぐれるようにしていきます。
かたくなった筋肉に自分の体の動きや体重や握力を使い、相手の筋肉が受け入れる感じがするように緩やかな圧を掛け、ゆっくり動かして解してゆくと、さらにその奥にかたいところが出てきます。そのかたいところに沿って溶かすように丁寧に押し伸ばしていきます。そうすると相手の筋肉や関節や体全体の動きが柔らかくなり、柔軟性が出てきます。
これは実際に練習や施術をして、自分の指や手の感覚と相手の反応や感想によって体得されていくものです。うまくいかないことも多くありますが、安全に丁寧に施術していれば、効果が少なくても、気持ち良く感じるだけでも喜んでいただけます。症状の緩和などの技術が向上してくれば、さらに満足していただけますが、これは実地で具体的な経験の中から身に付いていくものなので、とにかく安全に丁寧に、一つ一つの感覚や相手の変化を大切にして組み合わせていくことです。
自分の指や手が相手の体の固い所に触り、ゆっくりと圧を掛けたり動かしたりしているうちに、解れていく感覚や溶けていくような感覚、そして相手の体もゆったりとなり柔軟になっていく感覚を、実地で感じてください。無理に力を掛けて解してやろう治してやろうとするより、自分が相手側だったら高齢者だったらどうして欲しいか、どうするとまた施術して欲しいと思うかなど。施術をしたり受けたりしてお互いに良かったと思えるように対応するとよいと思います。相手と一緒に癒やされていくような感覚を身に付けていってください。
身近な人や職場以外の人にも施術をして、いろいろな実際の体験から、現場の感覚を磨いていってください。技術や知識は後からでもついてきます。よろしくお願いいたします。
静岡県富士市なかつかヒーリングスクール 中司和正/まゆみ
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