人の体に触るのは不安があって当然ですが、もみほぐしは肩もみなどのように自然な行為なので、やる気さえあれば誰にでもできるものです。
また自分が実際に受けて良いと感じ、それを他の人にやってやりたいと思うのも、自然な感情で行動の出発点です。少しでも安全で相手に満足してもらえて、気になる症状などが軽減するように施術するには、技術と知識と経験が必要になります。
初心を思い出して何度も施術の練習をして、解れる感覚が体験できたら、その解れる感覚・バラける感覚・溶けるような感覚を頼りに、相手の身体に合わせていきます。
特に疲れやストレスがたまっている人の体は、最初は人形のように柔軟性が少なく感じられますが、一つ一つの手技を丁寧にしかも手速く進めていくと、だんだんと相手の体が柔らかくなって、施術者の指や手と一体になっていきます。
全員が同じように解れていくのではなく、同じ手技でも人によって感じ方に違いがあり、施術者の側の受け取る感じも違い、合わない人もいます。相手の状況を把握できない場合も多いので不安になります。
少しずつコリや施術ポイントや力加減などが分かってきますが、効く感じや不快感や痛みなどの反応は人によって違いがあるので、心配なときは相手に聞きながら施術してください。施術中も施術後も良い感想や悪いところを言ってくれる練習や施術の相手がいると良いです。
施術の経験を重ねていくと、主に触覚による新しい感受性が養われていき、完全にはできませんが何となく、こうしたら良いというような相手の身体の要求が、施術者側に感じられ、施術者の手が半ば自然に動いていくような状態になるときがあります。
いつもいつもできる訳ではありませんが、それまでの知識や手技に加えて、ときどき自動的な直感的なような動きが入ることにより、施術がより豊かになり、やり方や力加減などの感覚的な理解が深まり、より安全で効果的な施術ができるようになります。
そういう中で得た経験をもってテキストや本や動画などを観ると、身体の動きや働きや経絡経穴やトリガーポイントなどの知識が、具体的に身に付き理解できていきます。
首は頭(脳)や感覚器官が多い顔とつながり、食道・気道・脊髄神経・頸動脈静脈など重要な器官が集中し、骨(頚椎)が細く動きが多様で、重い頭部を支えている繊細で重要な部位です。そのため筋肉も複雑に連なっています。
そのため首や肩の不調を訴える人も多いです。首付近の施術では、前面の喉を触らないようにしながら、側面や後面を軽く手速く解します。強く長く押さず優しく少しずつ解れるように施術します。
胸鎖乳突筋は首の前側の鎖骨から耳の後ろ(乳様突起)に付いている太い筋肉で、首の回旋や前後屈に関係していますので、解れると他の筋肉も解れやすく首が動かしやすくなり頭痛や肩こりの解消にもつながります。
頭皮は固くなっている人が多いので、大きく動かして解します。頭が解れると顔や首や肩なども解れやすくなります。
神経は運動神経・感覚神経・自律神経などがありますが、身体の器官の一つなので施術により刺激が加わっています。心地よい刺激と自律神経などの安定も施術の効果の一つです。
腰周りや腹部は横向きの方が施術しやすいので、横向きの講習のときに説明します。
施術時の立ち位置・姿勢・ベッドの高さなどは、自分が施術しやすいように調整します。基本は自分の肘を伸ばし・顔を上げ・自分の体重や体を使って、ゆったりと施術しやすいように工夫します。
また、どこでも心身の一つの場所が解れ始めると、他の部位にも波及して解れていくこともありますので、一つの部位にこだわり過ぎないようにすることも大事です。練習などで気がついたことや分からないことなどをメモして来てください。
丁寧でポイントが良い施術ができていますので、できるだけ色々な人に練習をさせていただいて、施術経験を増やしていってください。自分の身体にも工夫して施術して効果を確かめてみてください。
静岡県富士市 なかつかヒーリングスクール 中司和正・まゆみ
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